経済学における重力(後編II:経済的ポテンシャルとその緩和過程)

前説 前回の記事「経済学における重力(後編I)」では不変の価値尺度財(理想化された貨幣)の存在とその整合性が、無限次元線形代数の「基底」の問題として考えられること、連続時間での困難は基底の非存在によるものであることを指摘し、計量ファイナンス…

経済学における重力(後編I:経済学におけるヒルベルト空間と量子論)

前説 前回の記事「経済学における重力(前編)」ではディアドラ・マクロスキー『ノーベル賞経済学者の大罪』の書評という形で、戦後オランダの国際経済学と方法論についての経済学説史上の文脈についてのリマークを書いてみました。*1 その記事のタイトルで…

経済学における重力(前編:『ノーベル賞経済学者の大罪』覚え書き)

こんな本を買いました ノーベル賞経済学者の大罪 (ちくま学芸文庫)作者: ディアドラ・N.マクロスキー,Deirdre N. McCloskey,赤羽隆夫出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2009/10/07メディア: 文庫 クリック: 4回この商品を含むブログ (7件) を見る毒々しく残…

経済学における重力

経済学における重力(前編:『ノーベル賞経済学者の大罪』覚え書き) 経済学における重力(後編I:経済学におけるヒルベルト空間と量子論) 経済学における重力(後編II:経済的ポテンシャルとその緩和過程)(まだ書きかけです) 経済学における重力(補遺)(…

人間の言葉がある制約条件を課した物理的な系の解ならば

人間の言葉がある制約条件を課した物理的な系の解ならば くだらない思いつきだけど、書いておきます。 Noam Chomskyの言語学のUniversal Languageというのは、言語の文法とか変形規則のような「構造」に2値的なスイッチがあって、それらを切り替えるように「…

物理的見地からみた計算機構:古代COBOL文明(予備的考察)

古代言語COBOL COBOLポケットリファレンス作者: 細島一司出版社/メーカー: 技術評論社発売日: 2012/06/07メディア: 単行本(ソフトカバー) クリック: 8回この商品を含むブログ (3件) を見る近年日本では主にメインフレーム上での主流の開発言語であるCOBOL…

物理的見地からみた計算機構

物理的見地からみた計算機構:古代COBOL文明(予備的考察) 物理的見地からみた計算機構:計算機構の工学的進化と重力場

「最近の乱流理論」覚え書き

こういう本が出ました ノイマン・コレクション 数理物理学の方法 (ちくま学芸文庫)作者: J.フォンノイマン,John von Neumann,伊東恵一,山田道夫,新井朝雄,一瀬孝,岡本久,高橋広治出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2013/12/10メディア: 文庫この商品を含むブ…

「直交する外延」:形而上学についての歴史的注釈(part 2)

※準備中の研究について、論文が完成しないかもしれないので知ってることを日本語で簡単に書いてみます。とりあえず典拠は省くので全部根拠のない与太話と思ってお読みいただけると幸いです。ご請求いただければ執筆中の論文のbibtexファイルはご提供します。…

「直交する外延」:形而上学についての歴史的注釈(part 1)

※準備中の研究について、論文が完成しないかもしれないので知ってることを日本語で簡単に書いてみます。とりあえず典拠は省くので全部根拠のない与太話と思ってお読みいただけると幸いです。ご請求いただければ執筆中の論文のbibtexファイルはご提供します。…

数学者、角谷静夫の生涯(メモ)

2017/10/12 終戦直前の全国紙上数学談話会は1945年2月に発行されたきりなので、1945年8月に豊郷国民学校で角谷先生がガリ版を切って談話会を編集していたとは推定できません。本文を見ると「戦後すぐの」と自分で書いているのでどうも頭がボケつつあるようで…

「現代思想」8月臨時増刊号「総特集 フォン・ノイマン」について

こういう雑誌が出ました 評者は学生時代以来20数年ぶりにこの雑誌を買いました。現代思想 2013年8月臨時号 総特集=フォン・ノイマン ゲーム理論・量子力学・コンピュータ科学作者: J・フォン・ノイマン,K・ゲーデル,西川アサキ,野崎昭弘,佐藤文隆,今野浩,高…

de Jong『経済学者のための次元解析』(1967)抄訳抜粋

出典 Dimentional Analysis for Economists, Frits J. de Jong, North-Holland, 1967http://books.google.co.jp/books?id=F5BRAAAAMAAJ本文以上に脚注が有意義と思われるので、興味あるセミプロ以上の方は原著のご確認を。 抄訳(pp.1-3) 次元とは何だろうか…

ラディオガルダーゼ自験例

要旨:放射性セシウム体外除去剤「ラディオガルダーゼ」には、セシウムおよびタリウムの糞便中への排出を促進し、滞留期間を短縮する効果が認められている。 福島第一原子力発電所事故後に「汚染状況重点調査地域」として指定された千葉県A市に居住し、事故…

CentOS-5.6-i386-LiveCDの環境下でmp3ファイルの再生を行うために追加導入が必要なソフトウェアについて

CentOS-5.6を含むRHEL5系のディストロには動画・音声ファイルの再生ツールgstremer*1が備わっているが、ライセンス上の問題からmp3ファイルを再生するのに必要なライブラリが欠けていることは実用上の困難としてしばしば指摘されてきた。 gstreamer-plugins-…

Rで鶴亀算を解いてみる

工学や経済学の教育を受けてない人(例:筆者)は線形代数を使って現実の問題を解く機会に恵まれない。若くない人(例:筆者)は教科書を開いてみる前にまず自分が何を学ぶのかを知りたがる。ともかく誰でも知っている2行2列の最単純のケースでやってみよう。 R…

科学史の目で教科書を考える

最近仕事で若い同僚にTCP/IPを教えている。4月1日にいきなり命じられて最初に用意したシラバスは、アウトラインプロセッサ用の構造化テキストだった。これは講義ノートや小テストを付け足され次第に膨れ上がりつつある。

分光学、線形代数、関数解析、可換環論

わかっているのかどうかわからないのでとりあえず書いてみるメモ。具体的な環でザリスキ位相の例示ができるようになるまでは粘る予定

経済学でいう富の「微分」とは何なのか

「違い」を検出することが認識作用の中核なら、「違い」の大きさはそれほど重要ではないのかもしれない。もちろん、摂取カロリーのある期間の平均など、社会の運命を左右する大事な積分量もあるけど、人間の行動とそういった「量」が相関しているとすれば、…

筑波大学中央図書館で電子ジャーナルを調べるときに注意すべきこと(私家版)

2011/2末現在、学外者が資料調査で行く場合のメモ。本家→ https://www.tulips.tsukuba.ac.jp/portal/gakugai.php国会図書館の場合→ http://d.hatena.ne.jp/TuvianNavy/20110212/1297530353

国立国会図書館(NDL)東京本館で電子ジャーナルを調べるときに注意すべきこと(私家版)

土曜日に調べに行って色々困ったので2011/2現在の状況をメモしておきます。書いていて思ったんですが山に鉱石標本を採りに行くときの心得とちょっと似てる気がします自分のテーマゆえJSTORばっかりに偏ってます※厨なんで犯罪教唆とかアカデミアのルール違反…

経済学がどうにもうっとおしいので偏見を整理してみる

不幸にして検索で来られた方に:これは経済学を専門としない市井の好事家による未完成の調査ノートにすぎません。現時点で大量の誤りを含んでいるため、基本的な用語の定義等については然るべき経済学辞典の類を、学説については教科書を学ばれるようお勧め…

『ITアーキテクトのやってはいけない』(日経BP、2009)

本業(IT)関連で良い本[1]を買ったので紹介します。場末の書店で手に入れたのですが、半年以上前に出たものらしく、Amazon.co.jpでは既に品切れでした。レビューを見ると絶賛ばかり。ITアーキテクトのやってはいけない 設計、メソドロジ、実装・テスト、運…

『滝山コミューン一九七四』(講談社、2007)の書評未満のなにか

自分はこの本をきちんと読めるだけの集中力がなく、拾い読みした程度でこの感想を書いています。ファクトを細切れにしてテキスト全体に薄くまぶす書き方は正直どうかと思った。歴史叙述は難しいのです。。あと日本人は総じて神様を信じていないので「われ歴…

無駄なあがきの記録:2006-2008

この9年間の無駄なあがきについて書いてみる。(前回) 2007〜2008年の状況について追記しました(2010/7/6) 情報理論と領域計算量がらみで当時考えていたことを追記し、前後の文脈を書き直しました(2010/9/5)

無駄なあがきの記録:2001-2005

自分のウェブサイト用にとったドメイン名の廃止を機に、この9年間の無駄なあがきについて書いてみる。無駄に評伝形式。あと文献の出現順はいくらなんでもあんまりなので後で直します。 若干イントロを足しました(2010/7/6)

あまりにも目鱗な「リトルウッドの実解析の三つの原理」

http://en.wikipedia.org/wiki/Littlewood's_three_principles_of_real_analysis There are three principles, roughly expressible in the following terms: Every (measurable) set is nearly a finite sum of intervals; every function (of class ) is n…

メモリアルレクチャーズの起源が知りたい

※最後の疑問を解明してから公開しようと思ってたのですが、民主党政権のポピュリズム政策下で学問の公衆への説明責任が求められる風潮に鑑みて拙速をわきまえず公開します。文章の性質上、個々の言明についてソースを示すことが困難なので、文系の学卒の市井…

van der Waerden の『現代代数学』を全然読めてない件について

学力不足を恥じたり読めないといって自分を責めるのは若い人のやることです。もう若くないので鉄面皮に周辺事情とかどうでもいい話を書きます。Preparing English version. (2010/09/13)I can't go on reading van der Waerden's Modern Algebra. People ove…

渕野昌先生の話を聞いてきた

神戸大学サイエンスカフェ 第68回「ゲーデルの不完全性定理と無限の研究としての集合論」の信用できないメモ。渕野先生のスライドがアップされてるのでそちらを参照したほうが良いです。 http://scicafe.h.kobe-u.ac.jp/schedule/258.html http://kurt.scite…