数理経済学とトポロジー

調べたことと、一知半解の見解を雑然と書いてあるだけので内容を決して信用してはいけません
(uncorrelatedさんの一連のツイートがかなり刺激になったことを申し添えます)
誤りの指摘を歓迎します
追記:大域的不安定性の解釈について不均衡と同一視していた記述を修正しました。参考: http://www.anlyznews.com/2013/10/blog-post_28.html (アンコリさんには頭があがらない)
必読(自分は解読中)→いちごびびえす経済板「丸山徹 数理経済学の方法」スレ(web.archive.org)普通のブラウザで見てるとなぜかリダイレクトされちゃうのでロードしたら止めること

まず最初に

  • 経済学、というものを普通に経済統計や経済行動の解釈とモデル作りとモデルに基づく政策提言、評価の活動と捉えるなら、トポロジーに関わる話題は1930年代にvon Neumannが位相空間を経済学に持ち込んでから、経済学者たちが1950年代にはミクロ経済学、1970年代にはマクロ経済学におけるその含意を完全に咀嚼し、経済学的な意味付けを行うまでの間にモデル作りにおける極めてテクニカルな話題として現れていたものであって、本来ならそんな話に普通の人が興味を持つようなものではない
  • 数学素人である経済学者集団の単なる衒学という評価ももちろん世の中にはあるけれども(たとえば角谷がMas-Collelにそういう趣旨のことを言っている)、しかし数理経済学というゲームのルールを変えたのは、あえて一人に代表させるならばvon Neumannであって(そのバイプレーヤーとして、小Mengerがオーストリア経済学から数理経済学が派生する場を準備した、といってもあながち過言ではないし、Morgensternの攻撃的なアジテーションの影響も大きかった)、経済学者たち自身ではなかった、そして彼らが経済学特有の数学の使い方に慣れるのに時間がかかったのも事実
  • 経済学の特殊性は、「パイが固定」(成長の余地がない)といったモデルの前提が、そのまま政策提言の暗黙の前提になりがちなことと、指導的経済学者が政策的含意を持つ前提を議論するのにそれらの数学的性質への考慮が影響すること
  • 以下の説明も政策的含意から自由でないかもしれず、幾何の浮世離れした議論と非常に食い合わせが悪いが、何が起こっていたか、を理解するには生臭い政策的含意の言語と抽象的な多様体の形についての言語の両面から「経済モデル」というものがどう見えるかを説明せざるを得ない
  • 数学史的文脈ではvon Neumann、Ramsey、Nash、Smaleといった面々が数理経済学に貢献しているが、表面的にはたんなる数学の応用に見えてもこれを単なる余技とみるべきではおそらくなく、数理経済学という観点からごく一般的な(非物理的な)セッティングにおける数学を捉えることに一定の必然性がある(Mandelbrotに始まる経済物理学のモチベーションも、単に株式市場の予測で儲けたい、というようなことだけではなく、物理学、たとえば臨界現象の挙動についてのよりよい理解に資する、という動機は必ずある)
  • 素粒子論(HEP)とは違う形でだが、経済学もまた「時間とは何か」という問いとそこから生まれるいろいろな問いをずっと抱えているのであって、それが「具体的な座標によらずに表現された永年摂動の問題」という形で現れているのだともいえる
    • 個々の恒星系や銀河が宇宙の他の部分に及ぼす重力の影響が0にならないように、真に孤立した経済というものも無いのであって、たとえ最初はアウタルキーであってもいずれは貿易が始まる、といったことを理解するのに実のところ経済学を理解する必要はほとんどない、そういうコーナーケースの議論が本稿で取り上げる話の重要な一部

諸注意

  • 経済学における静学と動学(他分野では「静力学」「動力学」だが経済的な影響を「力」と捉えることの妥当性が自明でないため経済学の文脈ではこう訳す)、ミクロとマクロの区別は計量経済学(時系列データのインパルス-レスポンス解析、散乱行列によるマクロ経済のモデル化)の創始者であるFrischの導入したもの
  • 経済モデルの状態変数が時間の関数になっているものが動学、そうでないものが静学なので、ミクロとマクロの区別とは本来独立なもの(たとえば産業連関表はミクロ動学、比較静学はマクロ静学)
  • ただ、集計量と個別の経済主体の状態のずれが時間を通じて効いて来るため、経済動学は主に(集計量を扱う)マクロ経済学への理論的含意が大きい
  • そしてこの時間を通じて効いて来る効果(非ホロノミーとか不可積分性とか呼ばれるもの)こそがトポロジーとの関わりで問題になる

大まかな状況

  • ゲームは変分原理の離散表現
    • 離散的な力学系は正則な力学系のある本質を抽象したもの
    • Morse理論とのアナロジーは『ゲームの理論と経済行動』脚注に示唆されている
  • Morseのglobal analysis:多様体(滑らかなベクトル値多変数連続関数)から非負実数値への射影(次元縮約)である高度関数(altitude function)を考える、つまりベクトル場からスカラー場を作る議論
    • 熱力学の成立以前にOresmeやHegelが考えていたextensive(外延、示量変数)とintensive(内包、示強変数)の関係の一つの数学的理解とみることもできる
    • たとえば個々人の経済厚生を集計して代表的個人の効用関数を作るといった話に関係してくる
    • 高度関数がその上で定義される空間に多様体をどのような向きで埋め込むかによって高度関数は一意ではない(富の絶対的な評価尺度はない)
    • スカラー場(富の分布)に具体的な座標系(富を保有する地域や経済主体の相対的な「位置関係」)が入れば富の地理的分布の議論の土台にもなる(Krugmanが「不平等の統一場理論」(unified field theory of inequality)とか言っている*1代物を具体的に考えるならこういうことになるはず)
    • Weinstein-Malaney-Smolin([Smolin 2009])の集計的効用関数をゲージ理論で考えるというアイディア*2は(Donaldson以降であれば)上記の説明から自然に出てくる話
      • ただし、Weyl-Einstein論争*3から示唆されるのはKrugmanの言うような枠組みを一意に定める(パラメータなしの富の理論をつくる)ことはおそらく不可能なこと
  • 目的としては:静学的な一般均衡だけでは説明のできない経済格差の必然性を理解すること
    • Paretoの経済学への最大の貢献は経済における冪乗則*4の発見(Pareto派経済物理学は基本的にこの発見をベースに均衡理論に基づく経済学を組み替えようとする試み)
    • それぞれの市場*5では商品の価格は安定している(時間的変化があまりない)けど、国同士の関係でみると*6為替が富の不均衡を反映して刻々動く、といった話→Tinbergenの貿易の重力モデル(経済的ポテンシャルが各国のGDPと首都の間の距離で決まる)
    • 消費国は商品の原材料のコスト変動を資源国に押しつけようとする
    • 電場と磁場の関係、空間と時間の関係、富と外部性の関係は相反関係(reciprocity)とみれば同じようなもの

経済学の文脈に現れてくる位相の非一意性

  • 社会選択理論は半順序集合(poset)つまり位相空間の最適化の議論
    • 順序理論的な非一意性(グラフの不安定性)としての、Gibbard-SatterthwaiteとかArrow impossibility
    • IIAを要請しない場合の議論はある(IIAが不成立だと任意の評決の効用を個々の議案の効用から導けなくなる→本質的に測度が無効)
    • 無限グラフを許容したり量子投票を使って上述の不安定性を回避するという議論もあるが計算可能性の保証を外したり選好に不確定性が生じるなど本質的な解決ではない*7
    • Bertrandの(確率論の方の)逆理にも関連してくる?
  • Sonnenschein-Mantel-Debreu定理*8が大域的不安定性(静学的な均衡の非一意性)(経済格差は時間の中で均していくことしかできない)
  • マクロ経済モデルでの複数均衡

数理経済学における均衡安定性の検討の経緯

  • 1901:Walras on cardinal utility (Walras-Poincare correspondance)
    • WalrasはCanardがフランス学士院賞を授与され自分が拒絶されることを不当と感じていて、『要論』序文でも強調している
    • Bertrandは正当にもCanardの業績には否定的だったが、Walrasに対しても否定的であった
    • フランス人数学者が一様にWalrasを拒絶するなか、天体力学における永年項の寄与の評価(≒PDEの解の安定性)の問題からanalysis situsを考えたPoincareだけが一定の理解を示したのは偶然ではない*9
  • 1928:Ramseyの貯蓄の理論
    • おそらく史上初のDSGEモデル、Keynesが成立過程に関与
    • 変分原理を天下り的に適用しており(従ってblissつまり定常状態の存在と一意性は仮定されている)確率過程(1928当時、公知の定式化なし)は明示的には現れていない
  • 1932:von Neumannの均衡存在証明(論文は1937、英訳が1945)
    • 経済学界への周知にはMenger(子)、Morgensternらが関与
    • 均衡の存在を明示的に不動点定理と関係付けた
    • 関数解析に由来する線形化、正則化の考えが暗に使われており経済学界がこれを完全に咀嚼するのに1954年までかかった
  • 1930s:Hicks『価値と資本』数学付録における行列式論の言葉で書かれた安定性
    • 倫理学系の序数的効用ベースの要請からは経済モデルが一意に決まらないことは当然Hicksも判っていたはず
    • 現在のような行列ベースの線形代数学は当時存在していなかったことに注意
    • von Neumannの支援の元にMorgensternが書いた批判があり、これがTGEB 2/eの期待効用理論に発展
      • この序数的効用理論への批判、というのは要するに測度の入っていない(序数的効用だけが与えられている)位相空間で考えると位相の不定性がある場合にこれを重み付けによって解決できない(たとえば大域的重力という外場がなければ力学系は永久運動する、といっているのと同じ)ということ、ただしMorgensternがどこまで数学的文脈を洞察していたかは明らかでない
      • Cassel体系で許容される負効用解をWaldやNikaido-Uzawaはどう回避したか?
  • 1940s:Samuelson『経済分析の基礎』における偏微分/差分方程式論の言葉で書かれた安定性
    • von Neumannがオフレコで激しくdisったやつ
  • 1950s:Uzawaのアトラクター(詳細はケンブリッジから出てる方の論文集Preference, Production and Capitalを参照)
    • まず均衡とアトラクターの関係について:Walrasの模索過程(tatonnement)を実際に考えると、それは価格と数量が均衡点に向かって渦を巻く、といったものになる
    • 決定論的な「求根」というのはこの過程が代数計算で縮約でき、不動点が一意に定まる特殊な場合のこと
    • 豚肉価格で実際にこの振動がみられ、この事実はKaldorのcobweb modelに結実する
    • 宇沢は数学出身なので集計の問題が幾何(大域解析)の問題だとすぐ理解したはず
    • アトラクターに完全に縮退したものがBrouwerのfixed pointになる、というのがUzawa同値性(1962)
    • 現実の経済はおそらく「消費者」という無数の渦の相互作用を平均したものにおいてのみ「価格」ということが言えるのである(情報伝達にタイムラグがあれば一物一価の原理は厳密には成り立たないし、現実の世界は多かれ少なかれタイムラグを持つ)
  • 1960s:Pontryagin、Thomの仕事(構造安定性、横断性)に基づいた整理
    • 背景にある双対性自体はJvNの1932年の一般均衡の存在証明の時点で既に意識されてることに注意、またPontryaginの双対性というのはAlexanderの1915年の仕事の拡張であり、さらに遡ればJordanの曲線定理の高次元への一般化ということになる(閉じた多様体の「内側」と「外側」の間に、連結性を使って示せる対応関係がある、というもの)
    • 追記:宇沢の弟子筋(ShellとかCass)が尽力
    • たとえば無限視野最適化の文脈で出てくる*10
    • ここらへんの時代の空気は倉橋由美子『聖少女』西部邁『大衆への反逆』所収「鞍の上」あたりを読むとわかる
  • 1970s:Debreu-Burmeisterの正則経済(regular economy)
    • 鞍点が高次元から低次元への二つの射影が同相である条件と関わっている、ということが広く認識され、ゲーム一般に(経済一般に)鞍点の存在が保証されないことから複数均衡は排除できないとして、ではいかなるポテンシャルの変化もなしに複数均衡が存在することはありうるだろうか?という問題意識が生じた
    • ここでの「正則性」は位相的曖昧さを持たないという意味(局所的に無差別な均衡点が無い)、Debreuはこの意味でnon-regularなeconomyが零集合であることを示した、らしい
  • 2009:均衡多様体(equilibrium manifold)
    • 上記の歴史的経緯から必然的に現れる概念
    • Balaskoの仕事、Cass-Shellラインから出てきている研究

動学のパラダイムにまつわる経済学史上の作業仮説

  • von NeumannやRamseyの方法は1950年代の経済学にとっては特異性が高すぎた
  • Samuelsonの量子論とのアナロジー(『基礎』における「対応原理」)も理解されていたとはいいがたい
  • 経済動学の宇沢学派(Cass/Shell/Lucas/Stiglitzら)はかれらの考えを繰り返し書き直すことで理解へと接近したのだが、その努力を救ったのはPontryaginの『最適過程の数学的理論』(米国で1962、日本で1967に訳出)
  • MITにおけるShellのセミナーが最終的にSamuelsonの線でまとまる*11までには紆余曲折があった模様
  • 1968年の宇沢の離米後、Lucasが1970年に貨幣の中立性で宇沢学派から決定的に離反し(そもそも彼は1964年に学位をとっており、シカゴにおいてはあくまで宇沢の若い同僚であって、弟子というわけではない)new classicalsを打ち立てる際に、RamseyについてのEuler equation of consumptionという1960年代末時点の宇沢学派における理解*12を持ち出した
  • 当然論敵であるSolow-Samuelson Hamiltonianのコンセプト(1970年代にMITではコンセンサスとなる)はシカゴでは軽視されることになる(1990年代の淡水学派のStokey-LucasやLijnqvist-SargentはLucasの宇沢学派離脱時点の痕跡を残すことに)
  • 結局のところ恒常所得仮説(PIH、Friedman)とかライフサイクル仮説(LCH、Modigliani)はデフレ的な仮定であり無制限に認めれば貨幣の中立性を導かないほうがおかしい、Cass/Shellは現実的なモデルとして局所的にしか横断性を満たさない重複世代モデル(OLG)の構築に向かうことに(歴史的順序は逆か?)

加法性、測度に関する注意

  • 測度の定義で大事なのは実は完全加法性が成り立つことではなくて、気分としては非可算加法性が定義されてほしくない(どうやっても矛盾するから)
  • 経済的リアリティの言葉で言えば、技術や嗜好のシーズである「零集合」のうち未来の「正測度」になるツリーのルートがどれになるかは分からない、ということ
  • 測度が矛盾しないこと、が、未来が見えないこと、と(気分的には)「同値」であり、つまりDSGEは別に未来が全部見えていることを主張してないし、富の総量が将来にわたって同じままであるとも主張してない(予測不能なショックとして未来は現れる)
    • ただし完全予見はモノに対する投資をリスクフリー債券の重ね合わせで表現できるという仮定なので、事実上ソブリンショック以外が排除されている(いわゆる「新自由主義」と国家主義との連携には理論的な必然性がある)
  • いっぽうで宇沢学派のOLGやKahneman-Tverskyのプロスペクト理論のように局所的な決定論は維持しつつ最適化の地平や効用(富)の加法性を(赤外切断するというよりはむしろ緩やかに)ロールオフさせる(測度の要件である加法性を長期では捨てる)、という方向の議論もある。特にKahneman-Tverskyの仕事は前提に心理学における測定と加法性についての研究成果がある。いわば消費サイドの「寡占理論」だが、一般均衡との相性は決してよくない
    • 横断性条件と矛盾すると思う(複数均衡が現れ、必ずしも効率的ではない)
    • 場の量子論でいう真空期待値や相対論的宇宙論でいう宇宙項に相当する経済的「斥力効果」を導入しないと、周期解に支配されて何か挙動がおかしくなることが考えられる
  • おそらく閉じたモデルにならない(これがHayekやLucasが貨幣の中立性を主張する理由)
    • 宇沢学派の場合、確率的外生項としての「黒点」を(Jevonsを換骨奪胎して)導入する必然性があった
    • 一般均衡理論が説明しないSolow残差やEquity Premium Puzzleをどう考えるか?これらは両立せず矛盾しているように思われ、また場の理論におけるFaddeev-Popov ghostの経済学的な対応物がおそらく必要

整理の必要なこと

  • 結局、主流派的には動学と静学の相克はどう解消されていると考えるべきなのか?
    • 均衡が時不変である、という前提は主流派にはないから、素朴に考えた静学的な一意な均衡は捨てられている
  • NashやSmaleの経済学への貢献をどう位置付けるか?
    • NasarはなぜNashのあとPerelmanについて書いたのか?
    • Wittenが一時期経済学をやっていたことは彼のMorse理論への貢献とどういう内在的関係があるのか?

References

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