ヘルシンキ・ブダペスト雑感
背景
派遣先でちょっと長めのお盆休みが取れた(取らされた)形になっている。ただ、不安要因があって、個人的には所属元での有給を使い切らないか不安→無給休暇として問題なくとれた
雑感
- いちど中央ヨーロッパを見てみたかった
- どうせならJohn von Neumannの生家をこの目で見たかった(2003年に構成的場の理論で知られるArthur JaffeがAMSとハンガリーのボヤイ数学会の共同イベントで顕彰石版を埋め込んだ)
- フィンエアーで行くのが早くてヘルシンキ乗換えになるのなら、「かもめ食堂」の国も見てみたかった
- 行きはロシア上空、帰りはロシア、中国、北朝鮮上空経由。昨今の情勢ゆえ第三次世界大戦の鏑矢よろしく無警告射撃で撃墜されるのが怖かったが何も起きなかった
- 新冷戦の到来をもちろん喜ぶ気はまったくなくて、ただアンカレッジ航路の復活は時間の問題だと思う
- 北欧、中欧は東洋人にフレンドリーでない(もちろんフレンドリーな人もいるけど何人かにあからさまに避けられると凹む)
- 安宿とダウンタウンの宿には気をつけたほうがいい
- EU通貨統合に参加せず極右政権による労働鎖国が行われているハンガリーは目下第二次安部政権下で同方向の政策を驀進中の日本と似た閉塞感があって、もちろん主権国家としてそういう政策をとる必然性を理解するけれども(日本についても幾分かは)、あまり晴れ晴れした気分にはなれない
- 煙草は丸の中にTの文字を書いた政府専売店で売っている、徴税のために専売化したらしい
- フォアグラがすべておいしいとは限らない
よかったこと
- ヘルシンキのダウンタウンから少し離れた、市場のある公園近くのレストラン、量が多すぎるので注意だけど安いしおいしいし日本語メニューも用意してあった
- 森のキノコのスープと揚げたニシンがおいしかった
- ヘルシンキの宿の朝食で出たベリー類のミックスがとうてい日本では味わえないレベルで美味
- Lisztの銅像を見た、Liszt音楽院というご当地の名門音大があるらしい
- ペスト(ドナウ東岸)のお土産通りにある教会St. Michael's churchでやっているDuna String Orchestraの演奏は技術も高度でパワフルで自由自在という感じ、自分は度胆をぬかれた
- ニシンの塩漬けのマリネ(ディルの入ってるやつとか、いくつか種類がある)はヘルシンキで食べて気に入ったのでブダペストでもペストの中央市場で買って飽きるほど食べた(また食べたい)
- 塩漬けは砂糖を少し加えて〆るのがポイントらしい
- 生の肉や魚は中央市場の地下で売ってる、あとスーパーマーケットも地下にある
- 中央市場では他に鱒を買ってシンプルに焼いてディルを添えて食べたが満足、屋台のグヤーシュ(牛肉のパプリカスープ)*3も安くて旨い、パーリンカ(フルーツブランデー)も良かった、スーパーで買ったマッシュルームで作った森のキノコのスープも悪くなかった
やっとけばよかったこと
- どちらの国でも温泉に入ってない
- ヘルシンキではトナカイの肉を食べていない*4
- あんず茸(『かもめ食堂』で幻想的に使われていたキノコ)はシーズンではなかったのだと思う
- しゃれたカフェやシナモンロールやマリメッコなどのファンシーなお土産も見ずじまい
- ブダペストではさくらんぼのスープを飲みそびれた
- ブダ(ドナウ西岸)の王宮内の電話博物館で世界初の電話交換機の模型があるらしく見ておきたかったが種々の事情により断念
- ボヤイ父子の事跡も辿っていないし皇妃エリザベート(シシィ)の事跡も見ていない
- ブダの小高いゲッレールトの丘から棕梠の葉を掲げた女性像が市内を見下ろしていて、よく知らずシシィと勘違いしていたが見に行けていない
- ていうかそもそもブダには足を踏み入れてない
- ドナウのクルーズもやっていない
- BartokやKodaly関係も全然
- せめて「ハンガリー民俗舞曲」の棒踊りでも弾いてみせれば(自分は弾けない)それをとっかかりに会話くらいはできたのだろうか