播口陽一『ネットワーク・テクノロジー』

Cisco Catalystの中核部品開発者によるEthernet物理層の解説本

FE/GbEのオートネゴシエーション任せにしてhalf-duplexを選ばれてしまい痛い目を見た人は多いと思いますがどのようにそれが動作しているかご存じでしょうか。この本はEthernetやATMの物理層について当時最新の技術を解説していた数少ない本です。GbEやバックボーンの10Gの時代には少し古い内容ですが(ATMなど新規構築ではもう使われない技術もあります)基礎知識は古びていません。
著者はInternetのCIDR移行期に、緑の箱で知られるC社のネットワークスイッチの中枢部品であるTernary CAM(連想配列メモリ)のVLSM対応を行い、関連する特許を書いています(たとえば米国特許US 6307855 B1で検索してみてください)。自分はこの本の元になったUNIX Magazineの連載時に読んでいました。UNIX Magazineの事実上の廃刊のあおりもあってこの隠れた名著が知られていないのは残念なことです。
(初出:2013/7/20 Amazon.co.jp レビュー)